HEAVEN ROAD
体勢を崩したあたしは地面に手を突いた。



「こんなことしたって何もかわらねぇよ」



あたしは見上げるように女を睨む。



「何なのこの女?」



次は後ろへと思い切り押されて、尻餅をついてしまう。



「ねぇ、やっちゃってよ」



「そうだ。そうして。二度と顔出せないように、めちゃくちゃにしてやって」



顔を見合わせながらニヤニヤとする女達。



「俺ら?」



「それは不味いだろ。さっき豊さんと手繋いでたし」



男達は豊を恐れてあたしに手を出そうとしない。



あたしはこの場から逃げる事を考えていた。



男達が何もしなかったとしても、このまま帰して貰えるとは思えない。
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