HEAVEN ROAD
「それより伸びちまったな」



最後に部屋へと入ってきた秀が胡坐をかきながら、煙草を吸い始める。



「せっかくの豊の晴れ舞台だったのにな」



「来週にするか?」



「そうだな」



「なかなか就任できませんねぇ」



4人は何だか意味のわからない話をし始める。



「ねぇねぇ、何の話?」



「今日は豊の就任セレモニーだったのよん」



翔はあたしの隣に腰掛けた。



「なんの?」



「なんのとは?」



「なんの就任?」



あたしは翔に聞いていたのに、豊が横から口を挟む。



「総長」


「総長ね……はっ?!そ、総長?!暴走族の?!」



「声でけぇよ」



だ、だって、暴走族の総長だなんて……



それのセレモニーだったなんて、最初に教えてくれよ。

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