HEAVEN ROAD

自分の家の玄関なのに、ドアを開けるたびに緊張しちゃうこの感じが嫌だ。



考えたくないのに、アイツのことを考えてしまう瞬間だ。



ドアを開けても室内が暗闇と静寂に包まれてることに安心する。



やっぱり今日も帰ってきてないんだな。



一体アイツは何時に帰ってきてるんだか……



真っ暗な廊下に電気をつける。



「久しぶりだな」



暗かった居間からアイツが出てきた。



「暗闇から突然出てくるなよ!!」



「その顔どうした?!」



何で今日に限っているんだか……



「ちょっと転んだだけだ」



「嘘つくな。誰にやられた?また……」



「いちいち、うるせぇよ!!なんでもないって!!」



あたしは思い切り部屋に逃げ込み、ドアを閉めた。



「おい!!カナ開けろ!!」



背中でドアを押さえたまましゃがみ込む。
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