HEAVEN ROAD
「何でもないって言ってるだろ……」
「わかったよ。もう聞かないから、冷やしてだけおけ」
投げやりなあたしの言葉に何か思ったのか、急に口調が優しくなった。
「ここ開けろ。冷やしてやるから」
あたしはゆっくりと立ち上がってドアを開く。
「熱持ってるな」
あたしの頬に触れた後、台所へと歩いていくアイツの後を着いていった。
「ほら、少しあてておけ」
氷の入ったビニール袋をあたしの目の前に差し出す。
「ありがと」
「腫れないといいな」
そんな風に普通に話されると、拍子抜けしてしまう。
いつも言い合いばかりだから……