HEAVEN ROAD

屋上に着いてからも、豊の手は離されることはなく、手を繋いだままソファーへと腰を下ろした。



「お前夜は何食ってんだ?」



豊ってどうしていつも突然話をしだすんだろう。



「作るのめんどくさいから、食べてない日のほうが多い」



「はっ?保護者とかいう奴は?」



「あぁ~祐樹は大学行ってて、いつ帰ってくるかわからないから」



今日の夜はあたしの様子伺いの為にいそうな気がするけど……



「なら、今日からウチで食べろ」



「豐こそ、食べてんの?」



実家から出て、一人で暮らしているなら食べてなさそう。



「毎日運ばれてくる」



「どこから?」



「実家」



どこのお坊ちゃまだよ。



家出息子に夜ご飯をわざわざ届けるなんて。
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