HEAVEN ROAD

「昼飯まで二階にいる」



「はいはい」



あたしはお母さんに頭を下げ、豊の部屋へと階段をのぼった。



「甘えちゃっていいのかな?」



「いいって」



「そっか……ありがと」



「あぁ」



話が途切れるとシーンと部屋の中が静まり返る。



「さっき……」



豊は布団に寝っ転がったまま目を閉じているし、あたしは暇だったから棚に並べられている、卒業アルバムらしきものに手を伸ばした。


その時、突然豊が喋り出すから思い切り動揺してしまう。



心臓もバクバクいってるし……



「親父見てどう思った?」



スーツ姿の人に頭を下げてたことを言っているのだろうか?
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