HEAVEN ROAD
「豊~カナさん~ご飯いいわよ」



「タイミング悪りぃな」



階段の下から大声で私達を呼ぶお母さんの声が聞こえると、豊はゆっくりと体を起こした。



あたしも必然的に体を起こすこととなる。



「行くか」



「あ……うん」



人とこんなに密着したことのないあたしは、この後どうしていいかわからない。



恥ずかしいような、気まずいような、そんな気分になっているのに、豊はいたって変わらない。



こういうことは普通なのかな?



「顔赤いぞ」



豊の言葉にハッと我に返ったあたし。



両手で顔を覆い、「赤くねぇよ」と豊に背中を向けた。



「さっさと食って、俺んチ行くぞ」



それは……



豊の家で今の続きをするってことかい?



「なんでますます赤くなってんだよ」



覗き込まれた顔を必死に隠す。
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