HEAVEN ROAD
「さっさと行くぞ」
それにしたって動きがはやいよな。
動いている気配も感じなかったし。
あたしが、ぼーっとしてたとか?!
目の前に姿勢良く立っているお兄さんのことを考えていたら、頭上から聞きたくない声が降ってきた。
「カナちゃん行こう」
「はーい」
聞きたくない声は無視したまま、あたしは差し出された翔の手を取り校門を通る。
「おはようございます!!」
「キャー!!」
「お疲れ様です!!」
「豊先輩カッコいい!!」
「翔先輩もっ!!」
校門を通った途端に沢山の声に囲まれる。
「何?!」
「説明は後でしてあげる。取り敢えず中に入ろう。危害を加えられたらいけないから」