HEAVEN ROAD
「あー食べ過ぎて苦しい」



豊の実家からの帰り道の車の中であたしは満腹すぎて息をするのも苦しくなっていた。



実家から豊が大輔さんに電話をしたのかは謎だけど、帰るときにはいつものように黒のセダンが横付けされていた。



「あれだけ食っておいて苦しくないほうがおかしい」



確かにそうかも……



あんなに食べたのは人生初だな。



車が振動するたびに、胃に入っている空気が口から外へと出てしまう。



「ゲフッ……うっ」



「吐くなら言えよ」



「大丈夫」



あたしは食べたものは絶対に吐かないって決めてるんだ。



そうしないと癖になっちゃうから。
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