HEAVEN ROAD
「先行ってろ」



豊のアパートに着くと、そう言って鍵を手の上に置かれた。



「わかった」



何か大輔さんと話でもあるのだろう。



大人しく鍵を持って車を降り、アパートの前まできて立ち止まる。



鍵をくれたのはいいけど、どの鍵かわかんねぇ……



豊には似合わない可愛いクマのキーホルダーに鍵は5つ付いている。



一つずつ鍵穴に入れてみるしかないな。



一つ目……違う。

二つ目……これも違う。

三つ目……これも違うのかよ。



段々と苛ついてきたあたしは四つ目の鍵を手にした。
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