HEAVEN ROAD
「何してんだよ?」



背後から説明不足の豊が現れる。



「どの鍵かわからないから、一つずつさしてる所」



あたしは四つ目の鍵を右手で握り、違った三つはわからなくならないように左手で押さえたまま振り返った。



「垂れ下がってるやつ」



「はっ?」



「お前が持ってない鍵だって」



これかよ!!



あたしって運もない女なんだな……



昔からくじ運とかもなかった気がする。



五つ目の鍵でドアを開けて中へと入る。



「手塞がってるから、鍵閉めとけ」



「へい、へい」
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