HEAVEN ROAD
「吐け」



豊の言葉にあたしはブンブンと首を横に振る。



喋ると本当に吐いてしまいそうで……



「いいから、吐け!!」



何度も首を横に振るあたしに痺れをきらした豊は、あたしの口の中へと指を突っ込んできた。



「うぇ~~」



涙と鼻水と一緒に食べたものが便器の中へ……



「ハァハァ」



苦しいけどスッキリとしたあの感覚に背中がゾクゾクとする。



「立てるか?」



洗面所で手を洗った豊があたしの体を抱き抱える。



「立てる。口ゆすぎたい」



「これ使え」



洗面所の前であたしを下ろしてくれた豊はコップを差し出してくれた。



「ありがと」



何度も何度も口の中をゆすいでいると「もういいだろ」と豊にコップを取り上げられた。
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