HEAVEN ROAD

泣きながら再び眠りに付いたあたしが目を覚ましたのはカーテンの隙間から綺麗な夕日が差し込む時間帯だった。



「寝すぎたな」



独り言を言って廊下へと出た。



「いるのか?」



その時、玄関のほうから声がした。



あたしの体は固まったまま動かなくなってしまう。



「カナ、いるんだろ?開けろ」



豊の声……



一体いつから?



今来たのならタイミングが良すぎる。



「話したくないことは話さなくていい。だから、開けろ」



そう言った豊の言葉に胸の奥がキュンってなった。



あたしは一歩一歩玄関へと近づく。



「何も喋らなくていい。頼むから開けてくれ」



何でそんな声出すの?
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