HEAVEN ROAD
「無理しなくていい。話したくなって、話せるようになったら聞かせてくれ。それまで待ってる」



ぶっきらぼうにそう言う豊の言葉はあたしの心へと染み込んでくる。



「あ、ありがとう」



まだ少しだけ震える声。



「それと、俺は凍死なんてしないから安心しろ」



あたしの頭を手で掴み、ブンブンと左右に振る。



「また、吐きそうになるだろうが!!」



「いつでも吐かせてやるよ」



そう言いながら少し笑った豊の顔にホッとする。



「コーヒー冷めたんじゃない?淹れ直そうか?」



「体も暖まったしこのままでいい」
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