HEAVEN ROAD
気になって仕方ない扉の向こうを見つめながら、もう30分以上が経過している。
何を話しているのか少しでも聞きたくて、部屋のドアや壁に耳を付けてみるけど、話している声さえ聞こえてこなかった。
隣の家の声は丸聞こえなのに……
起きたり寝っ転がったりを繰り返し、ようやく部屋のドアがノックされた。
「終わった?」
あたしは思わず返事をする前に扉を開けてしまった。
ゴン
「痛ってぇ」
おでこを抑える豊の姿が視界に入る。
「悪りぃ」
「見てから開けろ」
「こっちからは見えねぇよ」
「確認くらいしろよ」
「忘れてたんだよ」
あたし達の言い合いを見ながらクスクスと笑っている祐樹。