HEAVEN ROAD
祐樹が「妹」と口にした途端、男はあたしから視線を逸らす。



「こっちいいか?」



お店の中はカウンターの他にいくつかの小上がりがあった。



かなり広い店内。



祐樹はカウンターを指差すと「おう」と男の人が答える。



「ビール。カナは?」



席に付くとメニューを手渡された。



「うーん。オレンジジュース」



「了解!!」



カウンターの男は兎に角元気がいい。



「知り合い?」



「高校の同級生」



「そうそう。悪友なわけよ。カナちゃんだっけ?はい。オレンジジュース」



祐樹とあたしの話に割り込んだ男はドンっと勢いよく、ジュースをテーブルに置いた。



「俺がいない時はこの店に来て食べればいいから」



「えっ?」



「お前、一人の時食ってねぇんだろ?」



「あ、あ、うん」



豊がさっき言ったのかな?
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