HEAVEN ROAD
そうだった。
アイツはそういう奴なんだ。
いつもあたしを馬鹿にして、上からものを言う。
初めて祐樹に会った日も……
あたしはずっとママと2人きりだったから、新しい家族ができることを楽しみにしていた。
どんなお兄ちゃんが来るのか考えると、前の日なんて眠れなかったのに……
あたしが自己紹介をすると、「俺は仲良く家族ごっこなんてするつもりはないから」とあたしの自己紹介を遮った。
その瞬間あたしの祐樹への期待も興味も一気に消えた。
辛い日々に少しだけ見えた希望だったのに。
そうだ。
だから、名前も覚えていなかったんだ。
思い出しただけで腹が立ってくる。