HEAVEN ROAD
「豊、ありがと」



「帰ろ」



「うん」



あたしが返事をすると豊はあたしの肩に顔を埋めた。



泣いてるのだろうか?



あたしの肩は急に熱を持ち始める。



「大丈夫か?」



「あぁ」



豊は大きく息を吸って、あたしの手を握った。



そして、あたし達は何も言葉を交わすことなく家に帰った。



胸がいっぱいで言葉が出てこなかった。



豊が当たり前のように“帰ろ”と言ってくれたことが嬉しくて……

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