HEAVEN ROAD
「祐樹さんに言われたんだ」



ソファーに隣同士で腰掛けたあたしたちには、暫く沈黙が続いた。



そして、豊が突然口を開く。



その言葉にあたしの心臓は異常なくらい早く脈打つ。



「俺、自分の気持ちがわからなくてよ」



「祐樹に聞いたんだよね?」



怖かったけど、あたしはずっと胸に閉まっていた言葉を吐き出した。



今、はっきりとさせなきゃ、この先後悔するような気がしたから。



あたしは沢山のことを諦めてきたけど、今は諦めたくない。



豊のことだけは最後まで諦めたくないんだ。



あたしを追い掛けてきてくれた豊に逃げずにぶつかりたい。
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