HEAVEN ROAD
「聞いた?」



豊が首を傾げてあたしを見つめる。



手が震えそうになるのを堪えながら、一気に喋った。



「あたしの過去を祐樹から聞いて軽蔑したんでしょ?それならそれでいい。でも、あたしは今までみたくしていたい。豊とこれっきりなんてやだ」



こんなに素直な気持ちを言ったのは始めてで豊の反応が気になって仕方ない。



「過去なんて聞いてない。俺はお前の口から聞きたいから」



「えっ?」



豊の言葉に拍子抜けしてしまう。



だって、過去を聞いたわけじゃないなら、あたしが悩んでいたこの数日間はなんだったわけ?



あたしの流した涙は何?



「じゃあ何で?」
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