HEAVEN ROAD
豊はあたしの手を取り、真っ直ぐにあたしの瞳を捕える。
「カナ、俺はお前が好きだ。傍にいてほしい」
どうしよう……
嬉しい。
嘘偽りのない豊の言葉が、変に気のきいた言葉よりも……
その場を取り繕うための優しい言葉よりも……
嬉しくてたまらない。
「カナ、返事は?」
「……あたしも……好きだと思う」
ギューって音が出てるんじゃないかって思うほど、強く優しく抱きしめられた。
「死ぬほど好きだって言わせてやるよ」
「うん」
「俺なしじゃ生きてけねぇって言わせてやるよ」
「うん」
「俺が世界一かっこよくなる」
「それはないな」
「てめぇ」
あたしは豊の心臓の音を聞きながら笑った。
豊もあたしの肩に顔を埋めて笑ってる。
豊、あたし幸せだよ。
あんたがこうしてあたしを1人にしない。