HEAVEN ROAD
「飯、食うだろ?」
「あ、うん。あたしの分もあるの?」
「あぁ」
あたしと会っていない間も豊のお母さんは2人分、作っていてくれたのかな?
今日、ここにあたしがくることを豊は知らないんだから、そういうことだよね。
なんだか申し訳ない。
豊が次々にテーブルの上に並べていくおかずを見ていると、胃がキューって音を鳴らす。
「食べるぞ」
「うん。いただきます」
あたしは手を合わせ、心の中でお母さんにお礼を言ってから箸をつけた。
「おいしい」
「そうか?」
「豊はいつも食べてるからわからないんだって。お母さんはほんと料理がうまい」
「今度直接言ってやれよ。喜ぶから」
「うん」