HEAVEN ROAD

「そうじゃなくて……」



「あっ?」



ご立腹の顔を見ていたくなくて、あたしは前に向きなおす。



「あたし……全部が始めてで……なんかついていけない。嫌なわけじゃない」



豊の声を待っていたのに何も聞こえてこないから、あたしは言葉を続ける。



「豊がいつもと違うし、どうしたらいいかわかんねぇ。頭ん中ぐちゃぐちゃなんだよ」



豊は言葉より先にあたしをギューって突然抱き締めた。



「お前は今まで通りでいい。俺に合わせる必要はないし、思うがままにしてろ。それでもわかんねぇなら聞け」



まただ……



豊の言葉に胸の辺りがキュンってなる。
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