HEAVEN ROAD
思わず立ち上がり叫んでしまった。
「祐樹さんのことは今はいい。お前の過去を知れない限り、俺はなんとも言えないからな」
そう苦笑いした豊は力一杯握りこぶしをつくっているあたしの手を優しく触る。
「それより、ここで暮らせよ。お前が一人でいるのは俺が嫌なんだ。一人で家にいると余計なこと考えちまうだろ?飯だって食わなそうだし。わかったか?これは命令だ」
「わかったよ」
あたしは口をとんがらせて豊の手を振りほどく。
豊があたしのこと気にかけてくれてるのはわかってる。
それに豊だって一人で暮らしてるんだから、あたしの寂しさがわかるんだと思う。
でも、この時は祐樹に腹が立っているせいで、豊にも素直になれなかった。
「風呂でも入って機嫌直して来い」
あたしの頭の上にドサッとジャージを投げつけ、豊はテレビをつけた。
「機嫌悪いわけじゃないけど、入ってくるよ」
「そうしろ」