HEAVEN ROAD
あたしは一度お風呂場へ行き、居間へと戻る。



「バスタオルならその辺にあるやつ使え」



「そうじゃない」



「なんだよ?」



いつものように睨み付けられるあたし。



「……下着とかないからやっぱり家に戻りたくて。あっ、帰りたいとかじゃなくて荷物取りにいったらダメかな?」



豊に誤解されないようにあたしは言葉を選びながら話した。



「そうだな。ちょっと待ってろ」



電話に手をかける豊の手を慌てて掴んだ。



「待って!!大輔さん?」



「あぁ」



「それは……もう遅いし、歩きじゃダメ?あたし一人で取って来るし」



よくわからないけどハァ~と溜息を吐いた豊はスカジャンをあたしの肩にかけ、何も言わずに玄関へと向かう。
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