HEAVEN ROAD
畳の部屋には敷きっぱなしの布団が一組。



その上に豊は寝そべりながらこちらを見ている。



「あ、あたしはどこで寝るんだ?」



「ここ」



そう言いながら、少しあいている布団のスペースをポンポンと叩く。



「一緒に寝んのかよ?!」



「でかい声出すな。布団、これしかねぇんだよ」



「それなら仕方ない……」



仕方ないか?



あたしはソファーで寝たほうがいいんじゃねぇか?



こんな狭い布団に2人で寝るなんて……



言ったことを撤回しようと思ったけど、既に遅かった。



豊の手はあたしの腕をしっかりと捕らえ、布団の中へと引きずり込まれる。



触れている手や足がドクドクと脈打ちだしているのがわかる。



「おやすみ」



「お、おやすみ」
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