HEAVEN ROAD
顔を洗い終えたあたしは翔が座っているソファーとは別のソファーへと腰掛けた。



ニヤニヤと笑いながら、あたしの顔を見ている翔。



「なんだよ?」



「なんかいつの間にか急接近だね。俺にはわからないことでも、2人は通じ合ってるみたいだし」



「はっ?」



怒ってるような口調で言ったけど、これは照れ隠し。



周りからそんなふうに見られているなんて恥ずかしい。



いびきなんかより何百倍も恥ずかしい。



「俺は嬉しいよ。2人がうまくいって。だって、豊なんて俺にカナちんのこと好きになってもいいのか聞くんだよぉ~俺がカナちんのこと、好きだったら困るからって」



「えっ?」



「付き合ってたって言っても、俺のことなんて気にしなくてもいいのにね」



「余計なことベラベラと喋ってんじゃねーよ!!」



豊は台所から翔を睨み付けていた。



「怒られた」と舌を出す翔。



2人はきっとすごくお互いを思い合ってるんだろうな。



そういうのがヒシヒシと伝わってくる。



羨ましい……
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