HEAVEN ROAD

「祐樹も間違ってるってわかってても、あの頃はどうにも出来なかったみたいだね。でも、今は違うから。祐樹はカナちゃんの味方だよ。だから、何かあったら頼っていい」



「で、でも……祐樹は……」



「いいんだよ。祐樹は俺はカナの兄貴だって、胸を張って言っているから」



「いきなり……」



「そうだね。いきなりとか、無理にとかはしなくていい。ただ本当に困った時は祐樹に頼っていい。アイツはどんなことがあってもカナちゃんを守るよ。だって祐樹にとってカナちゃんは大切な妹なんだから」



涙がこぼれそうだった。



あたしの言いたいことをわかった上で優しく語り掛けてくれる一志さん。



祐樹に拒絶された淋しさが今になって込み上げてくるのはなんで?
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