HEAVEN ROAD
「佐枝子、また来たのか」
「来ちゃ悪りぃかよ?!客だぞ客!!」
「一志は?」
「祐樹のお迎え」
「相変わらず相思相愛だな。おっ、今日は新しいお客さんもかい。いらっしゃい!!」
佐枝子さんと言い合いのようなやりとりをしていた博巳さんは、翔の顔を見た途端、営業スマイルを浮かべる。
そして、翔の近くにいたあたしにも気付いたらしい。
「あっ、カナちゃん」
「どーも」
あたしはぺこりと頭を下げた。
「カナと知り合いなわけ?」
あたしと博巳さんのやりとりに佐枝子さんは、すかさず口を挟む。
「この間、祐樹が連れて来た」
「そう。それより、さっさと席に案内してくれない?いつまで客を立たせてるんだよ」
「お前がうるせぇからだろ!!」