HEAVEN ROAD
そんな声を出されたら言うことを聞くしかないよな。
案の定「……はい」と答えた女。
返事までに多少の間があったから、納得したわけではないんだろうけど……
「わかればいいんだ」
男の声と同時くらいに捕まれていた髪の毛をいきなり離された。
「痛ったぁ」
「おっ!!顔面着地」
離せって言われたからって突然離すなよ!!
あたしにだって準備ってもんがあるんだ。
ドスッという鈍い音を鳴らしながら、顔から見事に地面へと落下したあたし。
けど、すぐに体を起こし後ろを振り返る。
どんな奴が助けてくれたのか、あんな声を出す男はどんな顔をしてるのか、女達がその後どうしてるのかってことよりも気になって仕方ない。
そこには大きなリーゼントを作った男がしゃがんでいた。