HEAVEN ROAD
豊のアパートを出ると案の定、怖い人たちの視線がこちらへと集まる。
これはあたしに向けられてるものじゃないとわかっていても、ビクッと体が震え上がる。
「行くぞ」
内心、物凄くビビッているあたしの手が豊の温もりに包まれた途端、自然と怖さは引いていった。
集められる視線と目を合わせないように、下を向きながら少し歩くとそこには大輔さんの車があった。
「お前は乗ってろ」
「うん」
ホッとした気持ちで車に乗り込み緊張を解く。
シートに体を委ね、全身の力を抜いた。
ハァ~やっとまともに呼吸ができる。
「今日参加ですか?」
「そ、そうみたいです」
いつもは大輔さんのほうから話しかけてくることなんかないから、車の中に大輔さんがいたとしても、いないような気分でいた。
「ここは安全なんで安心してください」
「あ、はい」