HEAVEN ROAD
5月といってもずっと外にいれば体が冷えきってしまう。
一応、ストーブは点いているものの、ソファーに横になったらストーブの火はあたらない。
眠たい。
眠たい。
眠たい。
あたしのイライラは募るばかりだ。
「ここで待ってろ」
「はいはい」
豊はあたしを屋上の赤いソファーに座らせると、どこかへ消えていった。
この際、風邪を引く覚悟で寝ようかな。
風邪引けば一日中寝てても誰にも文句は言われないし。
あたしは開き直ってソファーに足を上げた。
「うっうぅ~。気持ちいい」
やっぱり少し肌寒いけど、眠ってしまえば大丈夫そうだ。
瞬きを繰り返すうちに自然と開かなくなっていく瞼。
騒がしい雑音も段々と聞こえなくなってくる。