HEAVEN ROAD
「俺は別にいいよ。カナちんにはカナちんの理由があるみたいだし。でも、豊が大変だなって」



「どういう意味だよ?」



「俺は口止めされてるからな~」



「そこまで言ったんなら言えよ」



口止めされてるとは言ってるものの翔の顔は喋りたくてしょうがないって顔をしてる。



「豊には秘密だよ」



「わかってるよ」



「どこから話せばいいかな?」



「始めからに決まってるだろ」



クスクスと笑いながら翔は話し始めた。



「ここは俺等のチームがしめている。北高の連中も多くがヘブンの面子なんだ」



「そうなのかよ?」



「この屋上に出入りしているのは全員へブンだよ」



そういう事は早めに言ってくれよな。



だから、あたしに挨拶をする連中が増えたんだ……



いつの頃からかここに来るとあたしの知らない人間に頭を下げられたりしていた。



「で、ここら辺はヘブンが代々しめてるせいもあって上下関係にはうるさいんだ。だから入学早々そんな頭してたカナちゃんは目を付けられたって訳」



「ヘブンって男だろ?なんで女のあたしまで上下関係?に巻き込まれるんだよ」



「暴走族は女のチームもあるんだよ」



「えっ?」



「だから、新入りでまったく敬語も使わないカナちんの事をあれこれ言う奴が多くて」



「豊がそれで大変な理由にはならないだろ?」



暴走族が女もあったって事にも驚いたけど、年上ってだけで敬語を使わなきゃいけないことが理解できなかった。
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