HEAVEN ROAD
学校を出て大輔さんの車に乗り込んでも豊は無言のまま。



話し掛けるなオーラが出てる気がして、あたしは大人しく窓の外を眺めていた。



なんで怒ってる?とかどこ行くの?とか聞きたいことは沢山あったけど、今は聞かないのが先決だ。



数分後、車はあの大きな家の前で停車した。



豊はやっぱり無言のまま車を降りて歩いて行ってしまう。



「行くぞ」とも「降りろ」とも言われないあたしはどうすればいいのかわからない。



着いていこうか、待っていようか迷っているうちに豊の姿は見えなくなっていた。



ハァ~



こんなふうにピリピリとした豊といるのは疲れる。



「何かありましたか?」



あたしがここに残っていることを変に思ったのか、大輔さんは体を後ろにひねり話し掛けてきた。

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