HEAVEN ROAD
「いいから落ち着いてそこで待ってろ。わかったな?」
「うん。あっ、それと煙草屋の隣の公衆電話から……」
ツーツーツー
電話が切れてしまった。
最後の言葉は祐樹に聞こえたかな?
不安になりながら橋の近くまでやってきた。
そこには大きく“豊平川”と書かれている。
こういう目印探してから電話するよな……普通。
あたしってなんて馬鹿なんだろう。
「迎えに来て」って電話したって、あたしのいる場所がわからなければ迎えに来れるはずがない。
自分の馬鹿さに呆れ果て、あたしはゆっくりと地面に腰をおろした。
明るかった空は段々と光を失っていく。
そして、カチカチと点滅を繰り返しながら外灯がともされ始めた。
あんな電話じゃ、わかるはずなんてない。