HEAVEN ROAD
コーヒーの粉と水を入れてスイッチを押すと、ポタポタっと一滴ずつ茶色い液体が落ちてくる。
これがコーヒーか……
あたしは始めてみるその機械に釘付けになっていると頭の上から「食うぞ」と言う声がふってきた。
豊に視線を移すと、視界には居間のテーブルに並べられている朝食セットがうつる。
「さっさと来いよ」
豊はもう座ってパンをちぎり出していた。
「コーヒーは?」
「食べた後でいい」
「ふーん」
もう少し見ていたかったけど、あたしは仕方なくテーブルの前に座る。
「いただきます」
「おぅ」
大好きなイチゴジャムをたっぷり塗って、パンを口の中へと入れる。
「美味しい」
「よくそんな甘いもん食えるよな」
そんなこと言いながら、あんたがつけてるチョコレートクリームだって十分甘いから。