HEAVEN ROAD
「俺は屋上行くけど、お前は?」
「まず、教室行く」
「そうか。じゃあな」
豊はあたしに背を向けて歩きだす。
「豊!!」
「あっ?」
学校ではいつも素っ気ない。
でも、振り返った顔を見ればわかる。
あたしが呼び止めたことを嫌がってないってこと。
「インスタントってなんだ?」
「あっ?」
豊は体ごとあたしの方へと向きなおす。
「さっき聞くの忘れてて。インスタントって?」
「お前が作ろとしてたコーヒーをインスタントコーヒーって言うんだよ。お湯入れるだけのやつ」
「へー」
「わかったか?」
「おう。サンキュー!!」
あたしは右手をあげると、豊は大きくため息を吐いていた。
きっとチームのことで考えることが沢山あるんだろうな。