HEAVEN ROAD
その日の朝は静けさに包まれていた。
からっと晴れた空に、夏到来を実感させる暖かな風。
大輔さんの車に乗り込む前に見渡したその景色は太陽の反射のせいかキラキラと輝いて見える。
「あぁ~年中これくらいの気温だと良いのにな」
あたしは空に向かって大きく手を伸ばした。
「おい。さっさと乗れ」
先に車に乗り込んだ豊が開きっぱなしの車のドアから顔を覗かせる。
「わかってるよ。少しくらいいいだろ?」
「今日はいつもより15分遅いんだ。さっさと乗れ」
たかが15分くらいでうるさい男だな。
「へいへい」
あたしは渋々車の中へと乗り込んだ。