HEAVEN ROAD
何も変わらない。



いつもと同じ風景……のはずだった。



それなのに校門に到着した車の窓から見た風景はいつもとは違う。



沢山のバイクや車がグランドの中を走り回っている。



「くっそっ!!」



豊はそう言うと車のドアを乱暴に開けた。



「豊!!」



あたしは咄嗟に豊の制服の裾を掴んでいた。



「カナ。大輔のいうこと聞いていい子にしてろ」



いつも以上に優しくあたしの頭を撫でる豊に余計に不安は募る。



「で、でも……こんな中に1人で……」



いくら豊がヘブンのトップだからって、こんなに大勢の中に突っ込んでいったら死んじゃうじゃんか。



「ばーか。裏から回るんだよ。さすがの俺でもこの人数は無理だ」

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