HEAVEN ROAD
そして、悪夢がやってきた。



玄関から男がたった一人、丸腰で出てきている。



相手は鉄パイプやバッドを振り回しているのに。



あたしは目を凝らしてその男を見た。



えっ?なんで?



「有田?」



「カナさん!!ダメです!!」



あたしは無意識に車の外へと出ていた。



叫ぶ有田の声がここまで聞こえる。



「ここは学校だ!!ウチの生徒は誰一人出すことはできない!!」



有田がそう言い終わると、真っ赤な髪に真っ赤な特攻服を着た男が一人有田の前に出た。



「オッサン。ごちゃごちゃうっせぇ~な」



言葉と共に振り上げられる鉄パイプ。



「有田ぁーーーー!!!!!!」



あたしはもう何がなんだかわからなかった。



目の前で起ころとしていることをただ止めたくて……



有田へと向かって叫びながら走った。

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