HEAVEN ROAD
「俺が屋上から様子を伺ってたら、いつの間にか有田が隣にいたんだよ」



「あぁ」



秀が相づちをうってくれる。



あたしは……



自分のせいで有田があんな目に合ったと思うと声も出ない。



「そしたらよ。お前等は行くなって……ここは学校だ。生徒を守るのが教師の役目だって……」



「馬鹿か」



「俺は言ったんだ。俺等のまいた種だから手出すなって……それなのによ。お前等がまいた種なら俺にも手伝わしてもらわねぇとなって言いながら、階段を降りていった」



「馬鹿か……」



豊の一言に誰もが言葉を失う。



ホントに馬鹿だよ。



なんで、好きで暴走族やってる奴らのことなんて庇うんだよ。



しかも、あんな人数に一人で勝てるわけねぇだろうが。



馬鹿だよ有田。



でも、そんな有田のために何も出来なかったあたし達はもっと馬鹿だ。


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