HEAVEN ROAD
一日中バタバタとしていた、あたし達はいつの間にかその辺に転がったまま眠りについていた。



あたしが目を覚ましたときには、豊以外はもう誰もいなくて、何だかそのことが無性に寂しくなったりする。



「起きたのか?」



「うん。みんなは?」



「一時間くらい前に起きて帰ったぞ」



そっか……



「豊、今日学校は?」



「俺は色々とやることあるし行くけど」



「あたし……」



「あぁ、わかってる。学校行く前に俺も一緒に寄るからさっさと用意しろ」



「ありがとう」



あたしの頭ん中は有田のことばかり……



有田の声を聞くまできっと安心できないだろう。



だから、今すぐにでも病院に飛んで行きたい。



豊も同じ気持ちなのかな?



そうだよね……



あたしなんかよりもずっと付き合いが長いんだから、心配しないはずがない。



昨日の夜は“不死身だから大丈夫”なんてふざけていたけど、みんな心の中では心配でたまらない。



「行くぞ」



「うん」



いつもより一時間も早いのに、外には大輔さんの車が……


< 481 / 877 >

この作品をシェア

pagetop