HEAVEN ROAD
「どこか落ち着ける場所に」



「ここで話さないなら聞かない」



豊は冷たくあしらっている。



あたしと翔はそのやり取りをただ呆然と眺めているだけ。



「じゃあせめて2人きりにして貰えないかな?」



女はそう言いながら翔の方をチラチラと見ていた。



「翔。カナを頼む」



「あぁ、カナちん先に行ってよう」



翔に手を引かれたけど、あたしはその場を立ち去りたくなかった。



何だか嫌な予感がして……



「カナ、すぐに行く」



豊はあたしの目を真っ直ぐ見つめている。



そんな風に見られたら“嫌だ”なんて言えなくて、あたしはコクリと頷き、渋々校舎の中へ入った。
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