HEAVEN ROAD

「起こしてすみません」



「眠ってたわけじゃないから」



「なら、良かった」



あたしはきちんとソファーに座りなおし、大輔さんを見上げる。



「これ豊からだって」



翔に手渡されたのは2人分のお弁当。



「今日の帰りは実家のほうに送っていきます。祐樹さんには豊さんから連絡がいっているので」



大輔さん、何を言ってるの?



「豊は?」



「用事ができたみたいで、今日は学校に来れないみたいです。家に帰れるかもわからないので、カナさんは実家に」



「そっか。わかった」



心の中では、用事って何?



あの女のこと?



ってたくさんの疑問が浮んだけど、それを今ここで大輔さんにぶつけたって、大輔さんが困るだけ。



あたしはもう少しで出そうになっていた言葉を深呼吸と共に飲み込んだ。

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