HEAVEN ROAD
あたしと目が合うなり「鼻血でてるぞ」と教えてくれたリーゼント男。
両手で鼻を押さえると、手の平にじっとりと何かが付く感触がする。
「これ使えや」
近づいてきたリーゼント男が差し出したのはぐちゃぐちゃの雑巾?!
「俺の愛用タオルだ」
「そうですか……」
何もないよりマシかと思い、雑巾みたいなタオルで鼻の辺りを拭うと、真っ赤な血液が白い布を染めていく。
「あんた名前は?」
自分が名乗りもしないのに、相手に名前を聞いてくる失礼な奴は嫌いだけど、親切にしてもらったことだし、一応自己紹介くらいはしておこう。
「カナ」
「俺は翔紀(ショウキ)。翔でいいよ」
「うん」
「カナは何でその髪の色?」
「えっ?……髪?」