HEAVEN ROAD
「なぁ、カナ」
「ん?」
静香がそっとあたしの手を握り締めた。
「素直になれよ」
「…………」
「後悔するなよ」
「…………」
「私はカナの味方だ」
握られた静香の手は骨と皮だけだった。
ガリガリに痩せたその手であたしを励ましてくれる。
折れてしまいそうな細い手で、あたしに勇気をくれる。
あたしは声を出したら涙が零れてきそうで、静香の言葉に答えることが出来ずにいる。
「難しいよな」
静香はそう呟くと窓の外に視線を移す。
あたしもつられて視線を向けると、綺麗な夕日が目に飛び込んでくる。