HEAVEN ROAD
涙を流しながらその場に崩れるように座り込んだあたしの手には手紙が握られている。



“豊と別れた後に気づいたの。

あの頃はまだ幼くて、豊のしていること、豊の周りの環境が理解できなかった。

でも、今は違う。

街で豊かの噂を耳にするたびに胸が痛む。

私は豊が好きなんだって実感させられるの。

豊を振って付き合った男の子とはすぐにダメになっちゃった。

だから豊って訳ではないよ。

ただ、もう一度あの頃みたく側にいたい。

誕生日暴走は豊の隣で過ごしたい。


ふみより”




読まなければ良かった。



こんな愛の告白辛いだけ。



豊はこの手紙を読んで何を感じただろう?



どう思っただろう?



外見が似たような女と付き合ってしまうくらい、引きずっていた前の女。



嬉しさに顔が緩んでいたかもしれない。



すぐに抱きしめに行ったかもしれない。



そう思うと胸がはち切れそうで、この場所にいることさえ辛くなる。

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