HEAVEN ROAD

屋上には行けないから、ずっと教室に入りびたり。



明美が学校へ来ることは殆どないし、暇な時間をどうつぶそうかいつも必死に考えていた。



そんな時、クラスの男に話しかけられた。



「最近いっつもいるね」と……



声のするほうへ顔を向けると、爽やかな笑顔が視界に入る。



「悪い?」



あたしは馬鹿にされているのかと思い、男を睨み付けた。



「悪いだなんて思ってないよ。ただ、怖そうだったのに、最近はそうでもないから話しかけてみた」



何だよコイツ。



あたしが怖そう?



「髪その方が似合うよ」



「大きなお世話だ」



「やっぱり怖い人?」



首をかしげる男のペースに呑まれて、あたしもベラベラと喋り出す。

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