HEAVEN ROAD
「カナちゃんは好きな人いるでしょ?」



「だから……」



しつこい萌に少しだけ強い口調になるあたしに萌は言葉をかぶせてきた。



「萌はわかるんだ。カナちゃん、たまに遠くを見ているから。それで何か考えてるでしょ?」



「…………」



自覚のないあたしは萌の言葉に返事ができない。



「言わなくていいよ。今は、知らない振りしてあげる。でも、いつか教えてね。萌はカナちゃんの友達なんだから」



そう言ってグラウンドに視線を戻した萌の横顔をあたしはただ眺めていた。



萌の言葉が温かくてただ眺めることしか出来なかった。
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