HEAVEN ROAD
「お前は黙ってろよ。カナちんの口から聞かせて。コイツと付き合ってるの?」



「そうだって言ってんだろ!!」と宗が大きな声をあげた瞬間、あたしの視界にはポケットに手を突っ込んで歩く豊の姿が目に入る。



こちらを見ることもなく、翔の後ろを通り過ぎていく豊。



手を伸ばせば届きそうな距離にいる豊。



絶対にあたし達の会話聞こえてた……



豊が視界に入ったその瞬間あたしの体はおかしなくらい熱くなる。



「おっ。豊。じゃあまたね。カナちん」



翔は豊の後を追い掛けていった。



「カナ、俺達も行こう」



「う、うん」



宗に手を引かれたあたしは足元を見ながら歩き続ける。



手からは宗の温もりを感じているはずなのに、あたしの頭の中には豊の姿しか浮かばない。



胸の辺りがこんなに苦しいのは豊に付き合っていると聞かれたせい?



それとも、久しぶりに豊の姿を見たから?



違う。



これは寒さのせい。



そして、宗と翔の関係に驚いたせい。
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